英語面接で「話せない」が起きる本当の理由

2026-08-18 · 8 分で読めます

英語の面接で言葉が出なくなったとき、多くの人は「英語力が足りない」と結論づけます。ただ、同じ質問を日本語でされたら三秒で答えられることがほとんどです。だとすれば足りないのは単語ではなく、英語で話すときの順番です。

なぜ頭が真っ白になるのか

英語で答えるとき、脳は二つの作業を同時にやっています。何を話すかを考える作業と、それを英語に組み立てる作業です。日本語の面接では前者だけで済むので、負荷はおよそ半分です。

さらに悪いことに、多くの人はここで「文法的に正しい完璧な一文」を作ろうとします。作文が終わるまで口が開かないので、沈黙が伸びる。面接官には考えていないように見え、焦って早口になり、余計に崩れます。

対処は英語の勉強ではありません。考える作業を面接の前に終わらせておくことです。

型を三つだけ用意する

暗記した英文は、質問が少しずれた瞬間に使えなくなります。覚えるのは文ではなく順番です。

  • 自己紹介(90秒)— 今何をしているか、直近で何を作ったか、なぜこのポジションに応募したか。この三つだけ。経歴を年表で話し始めると必ず時間が尽きます。
  • プロジェクトの説明— 何を作ったか、何が難しかったか、その難しさに対して自分が何をしたか。主語は we ではなく I です。
  • 失敗・障害の話— 何が起きたか、どう気づいたか、どう直したか、その後何を変えたか。

技術面接で聞かれることの八割は、この三つのどれかの言い換えです。順番さえ決まっていれば、英語に変換する負荷だけを処理すればよくなります。

沈黙を埋めずに、時間を買う

詰まったときに必要なのは、間を埋める音ではなく、考える時間を正当に確保する一言です。面接官はこの手のフレーズを減点しません。むしろ落ち着いて見えます。

  • "Let me take a second to structure that." — 構成を考える三秒が手に入ります。
  • "To make sure I understood — you're asking about X, right?" — 質問の確認と時間稼ぎを同時にできます。
  • "Let me rephrase that." — 言い直しは失点ではありません。途中で壊れた文を無理に完走するほうが伝わりません。
  • "So, to summarise …" — 話が長くなったと感じたら、この一言で着地できます。

逆に避けたいのは、"like" や "you know" を挟みながら話し続けることです。内容が進まないまま時間だけが減ります。

聞き取れなかったときが本当の分かれ目

いちばん損をするのは、聞き取れないまま推測で答えることです。ずれた回答は「英語が苦手な人」ではなく「話を聞かない人」に見えます。

聞き返し方は一つ覚えておけば十分です。"Sorry, could you rephrase that?"。同じ文をもう一度言われても聞き取れないことが多いので、"repeat" ではなく "rephrase" と頼むのがコツです。言い方が変われば、知っている単語に置き換わる可能性が上がります。

オンライン面接なら "The audio cut out for a second" も自然です。実際に回線は落ちますし、面接官もそれを知っています。

発音より、数字と固有名詞

技術用語の発音は気にしなくて構いません。相手はエンジニアで、文脈から補完します。日本語なまりで減点されることはまずありません。

ただし、数字と固有名詞だけはゆっくり言う価値があります。「200ミリ秒が3秒になった」「ユーザー数が50万」「PostgreSQLからRedisに移した」——ここが伝わらないと、話の一番おいしい部分が消えます。数字の前で一拍置く、それだけで十分です。

前日にできること

単語帳を開くより効く準備が二つあります。

一つめは録音です。「Tell me about a project you're proud of」に90秒で答えて、それを聞き返す。かなり気まずい作業ですが、埋め言葉の癖も、話が長すぎることも、一回で自覚できます。

二つめは最初の90秒だけを繰り返すことです。面接は出だしで空気が決まります。自己紹介が滑らかに出れば、そのあとの多少のつまずきは面接官の評価を大きく動かしません。逆に、最初の30秒で崩れると、そのあとずっと取り返す側に回ります。

FAQ

英語が得意でなくても技術面接は通りますか?

通ります。評価されているのは英語力ではなく、技術的な判断と、それを説明できるかどうかです。短い文で、順番どおりに、数字を落とさずに話せれば十分に伝わります。

質問が聞き取れなかったときは?

推測で答えないことです。「Sorry, could you rephrase that?」と頼みます。repeat ではなく rephrase と言うと、別の言い回しに変わるぶん聞き取れる可能性が上がります。

答えを丸暗記しておくのは有効ですか?

文ごと覚えるのは逆効果です。質問が少しずれた瞬間に使えなくなり、思い出そうとして沈黙が伸びます。覚えるのは話す順番だけにして、中身はその場で入れ替えられるようにしておきます。

前日にやるとしたら何が一番効きますか?

自己紹介の90秒を録音して聞き返すことです。埋め言葉の癖と話の長さは、聞けば一回で自覚できます。単語を増やすより効果が出ます。

この場面でアプリがどう役立つか